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第六回タッチケア・フォーラム&<身>の医療研究会に参加して

更新日:2021年3月17日




【第六回タッチケア・フォーラム&<身>の医療研究会 第六回大会】

いのちに触れる “Touch”の未来を考えるに、参加しました。


研究者・ボディワーカーの先生方のご講演・対談のほか、

インナーワーク、セルフタッチングやリラックスのワーク等が盛り込まれた内容は、

人に本来備わっている「タッチ~ふれあうこと」の根源的な必要性や、“触れる、さわる”についての生理学的・心理学的なところ、そして、本能的なところ、コントロールできない領域などを含めて、多角的に考察するきっかけとなりました。


日常の中での“触れる、さわる”と、

専門性においてのそれぞれの立場での“触れる、さわる”。


伊藤亜紗さんの“手の記憶”のお話の中でのディスカッションにおいて、意図して非介入性に触れることは、完結していて、意図せず、接触していることが記憶に残っているように感じるという登壇者の方のコメントには、個人的にも共感できるところがありました。

専門性においてのそれぞれの立場での“触れる、さわる”時、非介入性に“触れる”、または、介入していることに自覚的に“さわる”という場合において、それは、相手や、相手のバウンダリーを尊重することへも、繋がっているのだということ。

そういった内容について考察できる場は、一般的には、まだ少ないと思いますが、例えば、子どもに触れる機会の多い専門職の方々も、こういった内容にふれられる機会があると、“子どもを尊重する”といったところについての理解もより深まるのだろうと、私は、感じています。

また、例えば、優しく触れる、緩めてあげようという意図をもって触れることは、侵襲性のタッチではないけれども、介入しているタッチであるということ。

そのあたりも、真髄において理解するには、触れることの奥深さの理解や、体験を通した理解、意図や在り方もが大切になってくることを感じます。


Peace blossomsでは、常に赤ちゃんの気持ちを尊重した、あたたかいタッチのベビーマッサージをベースにしていて、その積み重ねは、からだを通して、自己肯定感、自分自身への信頼、相手との信頼の構築も育んでいるということもお伝えしています。

自分自身のバウンダリーを持つということには、自己尊重、自己価値やアイデンティティといった自分自身の中心となる軸を守られることにも繋がっていくので基本的なこととして大切にしたいと考えています。


今回は、NPO法人タッチケア支援センター理事長でエサレン®ボディワーカーでもある、中川れい子さんと、ロルファーでもある藤本靖さんのお話もあり、私にとって、ロルフィングは、信頼のおける馴染みのあるボディワークでもあり、また、夫がロルファーでもあるため、実践的なところでのお話は、楽しみにしていました。

自己調整力引き出すためにはどうすれば良いのかということを、皮膚感覚の原初の時期にもふれてお話をしてくださり、最近、特に、胎生学や胎児についての文献を読んだりすることも多い私にとっては、さらなる探究へと繋がる機会になりました。

ダイレクトに子宮壁に自分の身をゆだねているのではなく、自分自身に対して自分をゆだねた上で触れている胚子期。

非介入性に触れている時に、相手が、“ゆだねる”ことができている状態の時は、子宮の中で、私たちが、全てにゆだねていた時の状態にあるのと同じことのようにも感じました。

“ゆだねる”感覚というのは、生命の原点。

周りの空間の領域も含めて、その人が、自分自身に対して自分を“ゆだねる”ことができるようなコンタクト。

触れている時に、からだから伝わってくる情報に対して、耳を傾けること。

外から、からだに何かをやらせる訳ではなく、その時々で、からだがやりたいこと、起きていること、からだの内発的な欲求をうまく引き出してあげること。

ゆだねる感覚が引き出される非介入性のタッチと自己調整力についてや、誰もが、日常の中で取り入れられることができて、からだが楽になるシンプルなワーク、セルフタッチを含めて、“触れる”ことの奥深さを、ボディーワークの特徴から、わかりやすくお話してくださいました。


また、これまでお話をお聴きしたり、著書も読ませていただいてきている山口創さんも、登壇者のお一人でもあり、タッチと自己に関わる皮膚感覚(外受容感覚、内受容感覚)、オキシトシンや神経系等については、これまでの理解が深まりました。

女性のからだとオキシトシンの影響、自分自身のふれあいを大切にするということや、セルフコンパッションについてのお話については、今後の参考になりました。


現在の世の中の状況の中でも、お世話をする人も赤ちゃんも、日々を、健やかに暮らしていただくきっかけの場として、Peace blossomsが、在ることの意味を見つめ直す機会にもなりました。


【第六回タッチケア・フォーラム&<身>の医療研究会 第六回大会】

いのちに触れる “Touch”の未来を考える

深尾篤嗣

(<身>の医療研究会理事長/心療内科医師/医学博士)

中川れい子

(NPO法人タッチケア支援センター理事長)

山口創

(桜美林大学リベラルアーツ学群教授/臨床発達心理士/博士(人間科学)

藤本靖

(環境神経学研究所株式会社 代表取締役

上智大学非常勤講師(ボディワーク・神経生理学)

伊藤亜紗

(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授

東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長美学者 博士(文学))

『人は触れあわなくても、つながりあえるのか?』

司会:村川治彦(関西大学人間健康学部教授)

パネリスト:山口創、藤本靖、深尾篤嗣、中川れい子

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